マンション外断熱改修の効果
今回は、以前に外断熱改修を行ったマンションの温湿度測定結果を発表します。
物件は2016年に外断熱改修を行ったマンションです。
3件のお宅にご協力いただき約1年間の計測を行いました。
1件あたり2台の測定器を設置し居室(空調してある部屋)と廊下など(非空調室)を対象に測定しました。
それでは、結果を見ていきましょう。
1.A邸の場合
こちらのお宅は、冬・夏ともに温度管理がよくできている例です。
温度において冬季は一週間を通じて18℃を維持し、夏季は26~28℃で推移しています。
居室の温度の非空調室の温度は3℃以内であり温度差の少ない快適な環境となっています。
湿度についても冬季は居室で40~50%で安定しています。
2.B邸の場合
こちらのお宅は、A邸に比べて空調の影響が大きく出ているお宅です。
冬季においては、一日の間で数回空調のON・OFFがありその際に温度・湿度ともに上下の幅が大きくなっていることがわかります。
夏季に居室の湿度(上青線)が非空調室(オレンジ線)を上回っています。これは部屋の換気が足りないことから起きます。
ですが、冬・夏ともに非空調室との温度差は少なく快適な環境と言えるでしょう。
3.C邸の場合
こちらのお宅は、冬場の温湿度差が大きく出ています。
このマンションは、方位によって窓面積や住戸のパターンが変わっていますのでその影響がグラフに現れています。
他の住戸に比べ夜の冷え込みの影響が大きくそのため朝空調を入れた際の温度上昇が大きくなっています。
4.まとめ
これらの3件のグラフよりマンションの中でも部屋の場所・空調機器の使用状況によりその温湿度変化は様々であることがわかります。
A邸にお住まいの方は、空調を入れる時期は1日スイッチを切らずに生活されいてたそうです。そのことが建物の断熱効果と相まって、非常に安定した環境となっていました。
空調を使う時期には、使う人の意識で賢く空調・換気をしなければなりません。